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1996初秋の旅(9)ミラノ [1996初秋ヨーロッパ鉄道の旅]

9/8(日)

 5年前にツアーでミラノに来たときが初回で、今回で2回目。あのときよりも数段に日本人の観光客が多く、驚きました。この日は日曜日で、美術館も昼にはクローズするというので、朝9時にはホテルを出発、トラムでドゥオーモへ行き、徒歩でブレラ美術館を目指しました。前回来たとき、ブレラは改装中で閉まっている部屋が多いとのことで、パスしてましたので、心残りでした。それで、今回の旅の計画を立てるにあたって、ミラノに立ち寄ることにしたのです。

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☆ブレラ美術館 Pinacoteca di Brera(初)

 17世紀のイエズス会の建物のなかに美術学校や図書館とともに開設。ナポレオンがミラノを占領していたときにイタリアの教会から集めさせた美術品を収蔵。中庭の回廊式の2階が展示室になっています。

↓カルロ・クリヴェッリはロンドンのナショナルギャラリーについで名品がそろっています。なかでも「蝋燭の聖母」は「祭壇画の詩人」と呼ばれたカルロの面目躍如、聖母の慈愛に満ちた表情と衣装や背景も見事です。1492年にカメリーノの大聖堂に飾られていた多翼祭壇画の中央パネル。絵葉書。

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↓同じくカルロ・クリヴェッリの「ピエタ」と「聖母戴冠」1493年 署名、年記のあるカルロ最後の代表作。ファブリアーノのサン・フランチェスコ聖堂旧蔵。

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↓マンテーニャ「死せるキリスト」1480頃 66×81 短縮法で描かれたキリストはとても斬新な表現。生々しい傷跡の残る足の裏と左の嘆く聖母の老いた目に浮かぶ涙・・・一つの画面に凝縮された精神的な表現はマンテーニャ晩年の傑作です。

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ほかにもピエロ・デッラ・フランチェスカの「モンテフェルトロの祭壇画」ジョバンニ・ベリーニの「聖母子」やカルパッチョの「マリアの神殿奉献」、ティントレットの「聖マルコの遺骸の発見」など、見逃せない大作がぎっしり。

 そして、ブレラ美術館からポルディ・ペッツォーリ美術館へ移動しました(徒歩10分くらい)。ミラノの高級ショッピング街の一角にありますが、マンゾーニ大通りに面した門から入ると意外に静かです。ミラノはそれほど好きな街ではないのですが、このポルディ・べッツォーリやアンブロージアーナなどの建つ一画は心静まる好きなエリアです。

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ポルディ・ペッツォーリ美術館 Museo Poldi Pezzoli(初)

 ここは持ち主の貴族が収集した絵画や家具などで飾られた邸宅美術館ですが、19世紀終わりにミラノ市に寄贈されました。。第二次大戦のときほぼ全壊(美術品は疎開して無事)したあと再建。初めて訪れた時は、なかなか見ごたえがあるコレクションに驚きました。そして、入り口横の大理石の階段を登って展示室へ行くのもなんかエレガントな気分でした。コレクションのうち(カメラ禁止なので絵葉書です)
ボッティチェルリの「書物の聖母子」1483頃 58×39.5 画家の中期の代表作は文句なく綺麗ですし、

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ポライウォーロの「横顔の婦人の肖像画」も一度見たら忘れられない魅力的な作品です。

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 他には私の大好きな画家達の絵画があるのもここを気に入った大きな理由なのです。
カルロ・クリヴェッリの「聖セバスティアヌス」この殉教の聖人の身体に突き刺さる矢の多さにはびっくり。「ここまで描かなくても」と思いますが、そのしつこさ?がカルロらしいのです。もう一点のクリヴェッリは気がつかず見過ごしました。

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 ほかはピエロ・デッラ・フランチェスカの「トレンティーノの聖ニコラ」など。コレクションには家具や武器なども多いのですが、何室か通リ過ぎて、突き当たりにあるのがここの当主がぞっこんだったダンテの「神曲」をテーマにした部屋です。ステンドガラスにダンテとベアトリーチェの姿が描かれています。 

 遅くなったランチはドゥオーモに近いレストランで。アンティパスト・ミストにフィットチーネ。味は普通ですが、なにしろ日本の倍の量で・・・食べきれません。

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さてお楽しみのショッピングですが、日曜日なので閉店しているところが多く、結局3店とも開いていたプラダで、長女のバックをおみやげに、そして私はタニノ・クリスチーの靴を購入。ウィンドーショッピングも含めてかなりの時間を費やし、へとへとになってホテルに戻りました。夕食はホテルのレストランで。ブッフェの前菜とスープで、お腹がいっぱいになりました。

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 今夜で早くもミラノとはお別れ…明日の夜行でバルセロナに発ちます。            
                 


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