1996春の旅(11)シュムリアップ(アンコール遺跡群) [1996春ベトナム・カンボジアの旅]
3/16(土)
ほんの2時間程度の睡眠でしたが、早朝5時には起床。5時半からのアンコールワットの朝焼けツアーに参加しました。この日は雲一つない晴れた空になり、アンコールワットの寺院の後ろから昇る朝日が綺麗でした。ただ残念なことに、この時期は乾期なので、寺院前の池には水がなく、絶好のビューポイントというわけではありません。
夜が明けた参道には早くも物売りの子供たちの姿。アンコールワットの回廊の浮彫レリーフの拓本画(かなり粗雑なものですが)が100円くらいで売っていました。
↓絵葉書売りの少年
寺院にはまだ入れませんので、いったんホテルに戻り朝食と休憩になりました。このとき添乗員さんに昨夜の奇妙な鳴き声の件を話し、一緒に部屋へ。入った途端目に入ったのがヤモリが急いで隠れるところ!正体が分かりました。他の部屋にも1ペアずつのヤモリが棲んでいるとか・・・。では他の部屋に変えてもらっても同じです。人に危害を加えることもないので、今夜から蚊取り線香は焚かないようにしましょうと一件落着。とはいえ、ヤモリは北海道では見たことがなかったので、気持ち悪かったです。
10時頃から、アンコール・トムの観光へ。朝観たアンコール・ワットの北に位置するアンコール・トム(大きい町という意味)はジャヤヴァルマン7世(在位1181~1215)によって建立されたクメールが最も繁栄したアンコール王朝最初の都城(周囲12K)です。
↓南大門の阿修羅と神々が大蛇ナーガを引き合っている像のある橋(一部はパリのギメに収蔵されたため模刻)の見事なこと!
↓ 城門を抜けると中心に建つのがバイヨン寺院です。
「バイヨンの微笑み」と称えられる四面仏顔塔(観音菩薩像)の素晴らしい迫力。神々の世界を地上に具現化したといわれる、クメールの美!全部で54面あるそうですがかなり摩耗したものも。
↓バイヨン寺院の壁レリーフ。象に乗った王様?の行進場面。
睡眠不足と暑さのため、このあたりでかなり疲労感があり、象のテラス~王宮跡などの写真は撮るエネルギーもなかった?ようです。
バスで市内のレストランでのランチの後、ホテルに戻り休憩になりました。やれやれとベットで1~2時間のお昼寝をして、少し元気になりました。午後3時からはまた観光へ。朝は入れなかったアンコール・ワットの見学です。
↓アンコールワットの全体写真(絵葉書)
12世紀前半にスリャヴァルマン(在位1113~1145)によって30年の歳月をかけて建立されたアンコール遺跡群最大の大伽藍です。ヒンズー教のヴィシュヌ神を祀る寺院であるとともに王を神格化して祀る墳墓寺院として、西方浄土を拝するように西向きに建てられています。樹海に浮かぶように建てられたアンコールの遺跡群の中でも濠に囲まれ、境内の中は3重の回廊が廻らされています。カメラ禁止だったのか、写真は残っていませんが回廊の壁レリーフはそれぞれ見事なもので、なかでも「乳海撹拌の図」は壮大なテーマを扱った素晴らしいものでした。第二回廊まで登りましたが、急な階段を登る第三回廊は見上げただけで眩暈がしてパス。
↓回廊(第一)とレリーフ(NETから拝借)
回廊で偶然アンコールワットの研究で有名な石澤良昭(当時上智大教授)先生をお見かけしましたし、西参道の修復に早稲田の学生さんたちがボランティアで汗を流す姿もあり、日本人として誇らしい気持ちになりました。また一方では内戦の爪痕が・・・地雷で手足を無くした小さな少女が車のついた木箱に乗せられて物乞いをしています。母親が連れてきて、置いてどこかに行ってしまいました。何故神様はこんな残酷なことを・・・なのに何の恨みも怒りもみせない、つぶらな瞳の女の子は天使に違いありません(戦いを暴力を告発する)。
ホテルに戻り、夕食後はホテルの屋上でアプサラダンスを観ました。ひとり1000円の追加料金で私たちツアーの貸切だったのですが、音楽を聴きつけて何人かの宿泊者が入ってきました。それが気に障るかたもいて、「追い出せ~!」と言って一悶着。減るものでもなし・・・うんざりでした。
夜は疲れとヤモリの鳴き声も聴こえず、熟睡。
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