1998秋の旅(4)ペリグー(ラスコーⅡ&ロカマドール) [1998秋フランス中部ロマネスクの旅]
10/17(土)
今日はファゴラとトリュフの産地として有名なペリゴール地方のの観光です。朝食のため別館の宿泊棟からシャトウの朝食室へ。霧が立ち込めて、まだすっかり夜は明けていません。敷地にカタクリに似た花が群生しています。日本では春に咲きますが、フランスでは秋に咲くのかしら?
さて、バスでモンティニャックの町に入り、添乗員さんが(i)でラスコーの洞窟の入場券を購入。9時オープンの一番乗りでラスコーⅡの見学をしました。現地ガイドさんは日本語は話せませんので、英語を添乗員さんが要約して説明してくれます。旧石器時代の洞窟壁画は土地の少年たちによって1940年に偶然発見されました。岩壁に描かれた多彩画の保存状態は良好で大小の動物や人間などが生き生きと描かれています。ただ人々の吐く二酸化炭素で劣化が進み閉鎖。ラスコーⅡはそのオリジナルに忠実に再現されて、1983年から観光客に公開されています。使われた木炭の年代の測定では紀元前15516プラスマイナス900年というのですから、気の遠くなるほどの大昔から続く人間の歴史、力強く生きてきた証しのようなもの。思いかけず(笑)感動しました。多分狩猟の収穫を祈って描かれたものなのでしょう。↓絵葉書とチケットです。
この近辺はラスコーの洞窟を観た目で観察すると、居心地良さそうな?洞窟らしき岩場があちこちに見られます。フランス国内でもナチュラルな景観が残るドルドーニュ川とその渓谷の美しさに溜息でした。時は秋、山深くなるにつれて木々も色付きを増してきます。
さて、次はラスコーから西のロカマドゥールへ。キリスト教の巡礼聖地として栄えてきた、フランスでも有数の観光地です。眺めの良い上の町からの景観を楽しみ、ランチはHostellere Bellevueにて済ませました。昼食はトマトスープとローカルフードのカスレと呼ばれる肉類と白いんげん豆の煮込み、アイスクリームでした。↓カスレ(絵葉書)はこってり濃厚な味ですが、お天気もあまり良くなく寒い日でしたので、あつあつを美味しくいただきました。
↓上の町からの素晴らしい眺め
↓こちらは絵葉書
そして、バスに乗って下の町へ。ゲートPorte du Figuler(13世紀)からは徒歩で土産物屋の並ぶ狭い通り、途中からエレベーターに乗って崖の上の聖地に到達。↓
ここからは階段でロカマドゥールのサン・ミッシェル礼拝堂とサン・ソヴェール教会の見学をしました。
☆サン・ミッシェル礼拝堂とサン・ソヴェール教会(ロカマドゥール)Chapelle St-Michel&Basillque St-Sauveur(Rocamadour)
↓崖の岩山に向かって左がロマネスク様式のサン・ミッシェル礼拝堂。外壁にフレスコ画が描かれています。
内部は見学しませんでした。右のサン・ソヴェール教会(11~13世紀)に入ります。↓扉口はゴシック
内部は三廊式ですが19世紀には上階が加えられ、大きな巡礼教会にふさわしい改築がなされたようです。見物客も多く、良く見ないまま大聖堂(15世紀)へ。そのせいかこの2つの教会の位置関係がよくわかりません。建立当時はフランボイヤン様式でしたが、宗教戦争とフランス革命により荒廃し、19世紀になって再建されました。ここの有名な黒い聖母(12世紀)を拝見。堂内は暗いうえ、祭壇が遠いので絵葉書を購入しました。全身は黒く見えますが、元は銀でペインティングされた木の彫刻でした。蝋燭の煙などで煤け黒くなったと思われます。
いつもは信者でもないので聖像を拝むことはないのですが、ここでは自然に手があわさりました。それほどこの黒い聖母子はオーラが漂っています。暗く古い堂内に鎮座する黒い聖母子の姿は理屈抜きに、神聖な存在感がありました。この後、オーヴェルニュ地方でいくつかの黒い聖母の彫刻を観ることができたました。「黒い聖母」にまつわる話については後程アップさせていただきます。
聖アマドゥールが隠棲したことで、この地に教会が建てられたものの、時の流れと共にあまりにも荒らされることの多かったロカマドゥール。聖アマドゥールにちなむものは何も残されていません。伝説では聖アマドゥールの手になると言われているかって銀箔に覆われていた聖母子像だけが巡礼聖地のシンボルと言えるでしょう。
↓下の街並み&帰途はお土産屋さんでショッピング。黒トリュフの瓶詰など購入。
ペリグーに戻りましたが、かなり長いドライブでした。地図で確かめましたが100K以上はあります。夕食は昨夜と同じホテルのレストランで。鴨のフォアグラ、魚のオーブン焼きリゾット添え、鴨料理、ペリゴール風アップルパイ。ペリゴール名物のフォアゴラでしたが、あまり美味しくなかったです。ここでアクシデントがありました。ドライブで食事に立ち寄ったという日本人の若いご夫婦が近くで食事していたのですが、奥さんが気分が悪くなって倒れてしまったのです。ホテルのマダムが大慌てで日本語が分からないからと助けを求めてきました。添乗員さんが駆けつけてお世話して、まもなく回復。疲労が原因だったのでしょうね。私も疲れが出るころです。気をつけなくちゃ~。
↓部屋に戻り早めに就寝
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