1999夏(4)ヴェネツィア~パドヴァ [1999夏北伊と南仏オペラ仲間との旅]
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パドヴァに向かう朝、ホテルの強力なお勧めでムラーノ島へ。グラス工場の見学というのでこれから長旅で買えるわけはないのでいったんは断ったものの、それは別にムラーノ島へ行って来たら?というので、水上タクシーも無料というし・・・これだから高級ホテルは嫌。みんな金持ちと思ってる~。
確かに降り立った島の風景はカラフルな民家が並んできれいです。そちらに向かって歩こうとすると、ボートの 運転手さんがガラス工場はこちらと言って、連れていかれました。工程見学からショッピングセンターへ。欲しいものはバカ高いし、お断りしてホテルに戻りました。後味悪い想いで荷物を受け取り、列車で次の目的地パドヴァに向かいました。
実は私はパドヴァは3回目だったのですが、娘は未訪問でしたので、ラヴェンナでオペラの仲間と合流する前にここで1泊することにしました。ホテルはタントーニオ聖堂の広場に面したドナッテロホテル。その名のとおりドナッテロのガッタメラータ騎馬像の見える部屋に泊まりました。ホテル自体は古く、朝食も貧弱なものでしたが、眺めは素晴らしく良い思い出になりました。早速街の散策へ。ランチはエルベ広場のテラス席で。
☆サンタント-ニオ聖堂Basilica del Santo
聖アントニウス(1195-1231)を奉った、イタリア国内でも屈指の篤い信仰を集めている教会です。 現在の建物は16世紀のものですが、屋根に並ぶクーポラがオリエンタルなムード。
↓Googleで確認したところ7つのクーポラが見えました。左角の緑の庇の建物がホテルです。
↓部屋からのサント広場。黒くペイントで囲んだのがガッタメラータ像です
↓クーポラや側面は改修中
↓タントーニオ聖堂の2つの回廊(13~15世紀)へ。参拝者も少なく静かでした。
↓内部の周回廊の「磔刑図」は現代フレスコ画の巨匠アンニゴーニの作品(1983)
↓豪壮な主祭壇はドナッテッロの彫刻で構成されていますが、近くで観られないのが残念です。
タントーニオ聖堂から駅に向かって北に1Kほど のところが、スクロヴェーニ礼拝堂です。ジョットの壁画で装飾された美術史上でも重要な位置を占める場所です。1991.1997と訪れていましたが、今回は今まで見過ごしていたところを注目。ジョットはプルーストの『失われた時を求めて』にでてくる画家たちのひとりなのです。礼拝堂の最下段の壁画には聖書のテーマとはかけ離れた寓意像(7つの美徳と7つの悪徳)で占められています。物語には美徳の「慈愛」がでてきます。来るたびにここは見学者が増えて、じっくり鑑賞する気分になれなく、疲れました。
↓絵葉書は勿論「悪徳」です。馬鹿/移り気/憤怒
隣接する市立美術館とエレミターニ教会も再訪。ホテルへ 戻る途中パドヴァ大学を通りかかりました。この日は卒業式だったのでしょうか?医学生たちが大騒ぎでお医者さんの卵をたたいたり、つねったりしています。患者さんの痛みを教えこむというなんと!荒々しい祝福の行事。この大学独自のものなのでしょうか?夕食はホテルの近くで済ませましたが、観光客(ドイツ人たち)につられてはいって大失敗(涙)。今までのイタリアで一番不味い食事になりました。
↓絵葉書ですがアントーニオ聖堂の夜景
ベニスで買った虫刺されの塗薬がようやく効いて、ぐっすり眠れました。
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