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1999夏(9)エクサンプロヴァンス [1999夏北伊と南仏オペラ仲間との旅]

7/12

 Aix-en-Provenceから周辺の町や村をめぐるバスツアーは毎日ありますが、曜日によって行き先が変わります。今夜はオペラがあるのですが、この日の午後出発の「リュベロンの村巡り」にはシルヴァカーヌ修道院が入っていましたので前日予約しました。友人4人で午前中はグラネ美術館へ。ミラボー大通りの東側の突き当りまで 歩き小さな路地を曲がると、美術館とサン・ジャン・ド・マルド教会がひっそり建っています。教会にはドラクロワの磔刑図があります。

☆グラネ美術館 Musée Granet(初)

 地元の画家グラネの名前がつけられ、ご本人の絵画が多数。そのほかにここエクスが故郷のセザンヌの初期の作品がいくつか展示されていましたが、あまり印象に残る作品は展示されていませんでした。ここで見逃せないのはフランドルの先駆的画家のカンパン「栄光の聖母と2聖人と寄進者」(絵葉書)でしょう。もう一点はアングルの傑作「ユピテルとテティス」なのですが、昼休みの鐘がなり、追い出されてしまいました。

↓カンパン「栄光の聖母と2聖人と寄進者」48×31.6

 

 ランチはミラボー通りとド・ゴール広場に面した1等地の角のカフェで。南仏名物ニース風サラダをオーダーしたのですが、メニューに卵が入ってるはずなのに、実際は入ってこなかったので、フランス語のできる友人が文句言ったのですが…聞こえない、わからないふりして嫌な感じでした。 

 さて、同じ広場からツアーバスは出発しました。フランス語と英語でしたが、例えば美しいとか綺麗だとかのフランス語の表現は多彩なのに英語の案内に切り替わるとビューティフルで簡単に片づけられてしまって…あらら。英語が苦手なガイドさんでした。

前年のフランス中部のロマネスク教会を巡ったツアー以来ロマネスク美術偏愛気味になってしまった私ですが、シトー派の修道院を初めて訪れたのはこの夏の暑い日(気温は35度近くまで上がりで、道産子の私達4人にはハードなエクスカーション。私達を含め日本人が10人程、台湾からの女性達を含めアジア系の女性が多く、ひとり旅の若い方も多いのは、それだけ観光しやすいということです。エクサンプロヴァンスの観光バスはとても充実していて、一週間滞在しても毎日違うコースでこの近辺を巡ることができます。特にこの時期(7月)はラベンダー街道巡りの特別コースも設定されています。                      

バスはこの地方らしいひまわり畑の見える田舎道を北のリュベロン地方へ向けて走り、デュランス川の近くの修道院に到着。入り口はブックショップを兼ねていてここを抜けると修道院の正面にでます。情報ではここにもラベンダーが咲いているはずだった?のですが、教会の前には花の影も形もなし・・・私の勘違いで、セナンクと混同していたらしいのです(汗)。

↓バスの車窓から

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↓バスを降りたところからと修道院正面

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 ☆シルヴァーカーヌ修道院 Abbaye de Sylvacane

シルヴァーカーヌとは「葦の森」の意味があるとおり、創建当時は人里離れた森の中だったのです。今迄見てきたロマネスク聖堂と違い、アカンサスの葉模様の柱頭彫刻が見られる以外はほとんど装飾がありません。回廊も素朴、ずしりと石の重量感が迫り、ここでの修道士の生活は相当に厳しいものと想像されました。
見学した時点では、美術的な装飾が少ないのが物足りなくも思えたのですが・・・あの盛夏の光と回廊の影が、清清しく印象に残り、他のシトー派を訪ねたいとの気持ちが次第につのってきて、私にとってはシトー派聖堂めぐりの原点となったところです。

↓ 回廊と中庭

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↓絵葉書

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   このバスツアーはリュベロンの小さな村、ルールマランやアンスイなどに立ち寄り、夕方エクスに戻るコースでした。確か3か所は下車して散策したのですが、写真がどこで写したものかほぼ不明ですが「フランスの最も美しい村」に選ばれている素朴で静かな村の散策(自由時間が多かった)を楽しみました。

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↓ルールマラン城 

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  夕方にエクサンプロヴァンスの町に戻り、休む間もなく着替えてベトナム料理屋さんで夕食。そして、旧司教館の中庭でオッフェンバックの『美しきエレーヌ』を観ました。

↓チケット 2階席でした 

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♪~オッフェンバック『美しきエレーヌ La belle Hélène』21:30開演

 指揮:オリヴェ・カスパー  演出:ヘルベルト・ヴェルニケ

パリス:アレクサンドル・バデア  メネラウス:ダレ・デューシング
エレーヌ:ノラ・グビッシュ  アガメムノン:ヴィクトル・ブラウン
オレスト:ドミニク・ヴィス

     
   ♪~この会場はタペスリー美術館でもあるので、前日昼間見学に立ち寄ったときはこの公演の準備中でした。

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 諷刺のきいたオッフェンバックのオペラなので覚悟していたのですが、細かいセリフがさっぱり理解できず残念。演出は大好きなヴェルニケ、ロココの舞台やヘレネのドレスが美しく、最後はおもちゃの汽車ポッポが舞台前面を横断するように走り、最後尾に木馬が乗っていたので爆笑。オッフェンバックの楽しいノリノリの曲も含めて私はもちろん気に入ったのですが、友人たちには不評だったようです。歌手たちも生き生きと歌い演技し、そのパフォーマンスは素晴らしいものでした。パリス役のバデア(若くてハンサム!)はこのときが初めてでした。あのラヴェンナでの古典的イタリア美の舞台とはかなり違った、モダンでお洒落なフランスの最新の舞台を2つも観ることができました。

 そのうえ、この素敵な街で3泊してプロヴァンスの三姉妹と言われるシトー派のロマネスク教会もひとつ訪問できて、充実した滞在でした。涼しい夜風に吹かれながら幸せな気分で宿に戻りました。さすがに疲れて夜食はパスして部屋へ。明日はオランジュへ向かいます。

↓ホテルの向かいにあったレストランの看板犬

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