1998秋の旅(7)トゥールーズ~アルビ [1998秋フランス中部ロマネスクの旅]
10/20(火)
アルビ/ホテル・サン・アントワーヌ2泊
トゥールーズはサンティアゴ巡礼路のなかでも美しい大教会の建つ古都です。朝食後は街の中心にあるカピトール広場へ。といってもホテルの玄関を出るとすぐ右がその広場です。朝夕のお散歩も楽しめた最高のロケーションでした。トゥールーズはこの1998年の夏にサッカーのワールドカップが開催され、日本人の応援団の行儀の良さ(ゴミもすべて持ち帰る)を絶賛されていたとかで、街の人たちの好意の目が注がれていると解釈して、勝手にいい気分(笑)
広場に面して堂々と建つ18世紀建立の市庁舎を見学。確か大広間にあったと記憶していますが、カタリ派の処刑図が・・・。トゥールーズは古くからユダヤもイスラムもカタリ派もローマカトリックも共存していた自由で文化的な街だったのですが、トゥールーズ伯にも保護されていたカタリ派が異端とされ、12世紀初めに結成されたアルビジョア十字軍によって攻められ陥落。今まで独立していたトゥールーズも王権の傘下に入ることになったのです。そういう歴史をガイドさんの案内で聴きながら、宗教上の非寛容の問題だけでなく、政治的(領土獲得)な野望が絡むと、これほどまでに人間は残酷になるのかと背筋が寒くなりました。
↓市庁舎の2階から眺めた広場にはまたもや高校生のデモが・・・解散した後通りがかりましたが、空き瓶などゴミの山でした。
↓市庁舎の前で
↓トゥールーズの街を歩いて、徒歩数分のサン・セルナン教会へ。
☆サン・セルナン教会 Abbatiale de St-Sernin ラングドック地方の中心トゥールーズはフランスからピレネーを越えてサン・ティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路の最後の中継地。初代司教聖セルナンに捧げられた聖堂です。3世紀の聖セルナンについては色々な伝説がありますが、ローマの神々への偶像崇拝を拒否して殉教し、トゥールーズの守護聖人になったそうです。(図像では荒々しい牡牛が持物)
現在の教会は1060頃に起工された煉瓦造り、5廊式の長さ115m幅64mのロマネスク様式の大教会。巡礼地に建つ他の教会に大きな影響を与えました。
↓青空に赤レンガが美しい後陣外観/私のカメラではこれが限界
↓こちらは絵葉書です/内陣の周歩廊と放射線状の祭室、トランセプトに袖廊、すくっと伸びた多層の鐘塔と躍動感のある姿はパーフェクト!
内部の写真はほとんど失敗したのか?カメラ禁止だったのか?残っていません。11世紀の白大理石の祭壇は間近で見れるようになっていて、触ることもできましたが、その奥につながる周歩廊はこの時見学不可・・・残念。
↓南扉口(ミェジュヴィル扉口)
↓タンパンには最古の昇天図といわれる「キリストの昇天」、それに両脇の柱に彫られていて、下から見上げると不思議なことに長い衣の聖ペテロやヤコブの姿が仏像のように見えました。
オリエントのほかに古代ローマ、スペインの影響もみえる重層的な大規模の教会とのことだが、聖セルナンにまつわる彫刻も現存せず、いささか物足りない思いも・・・。
↓ここからジャコバン修道院聖堂(13世紀末)へ。
↓ゴシックの華やかな天井
↓2廊式の堂内
ランチはガロンヌ川の畔のLe Brasserie des Beaux Artsにて。クラッシクな内装の素敵なレストラン。特別に生牡蠣を注文できるというので、白ワインと共にいただきました。フランスの生牡蠣初体験だったので、もう感激的な旨さ!他のメニューはビーフ・コンソメ、鶏の薄切りステーキ、アイスクリーム、コーヒー。
これでトゥールーズの観光も終了。バスは約2時間走って、アルビへ。ホテルは旧市街から1本道路を渡った静かなエリアにあります。夕食まで2~3時間フリータイムでしたが、疲労感があり、大事をとってベットで横になっていました。
そして元気になって夕食へ。ホテルのレストランでは暮れゆく庭を眺めながら、雰囲気もお味も良かったです。メニューは野菜スープ、ポロ葱入りフランドル風タルト、鱒のフィレ、サラダ、林檎のタルト、白ワイン、コーヒーでした。
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