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1999夏(13&14.15)ミラノ&帰国 [1999夏北伊と南仏オペラ仲間との旅]

7/16

 今日は旅の最終日、ミラノ滞在3日目です。美術好きな友人4人でミラノの美術館2つを巡りました。

☆ポルディ・ペッツオーリ美術館 Museo Poldi Pezzoli(2)

↓ ピエロ・デッラ・フランチェスカトレンティーノの聖ニコラウス」136×59 1454~69頃

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ピエロの故郷、サンセポルクロのサンタゴスティーノ聖堂のため製作された祭壇画の一部。中央部の聖母子は失われ、他も解体され各地に分散されました。旧HPの「美術館巡り/イタリア編」でも取り上げたポルデイペッツォーリ美術館にあるこの作品には、太陽の輝く青空と色大理石を背景に建つ聖人が描かれています。親しみやすい風貌と靴下姿?の聖ニコラウスは「トレンティーノのニッコロ」として盲目の子供を治し、ほかにも数々の奇跡を起こしたという13世紀終わり頃の能弁で知られた修道士。聖アウグスティーノ会の黒衣の修道服、皮のベルト姿がおきまりの図像 。

他にも ボッティチェルリの「書物の聖母子」ポライウオーロの「横顔の婦人の肖像画」、カルロ・クリヴェッリの「聖セバスティアヌス」など。1996年の旅日記にアップ済みなので省略します。

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 ↑ドゥオーモを眺めながらデパートの食堂で軽くランチを済ませアンブロジアーナ美術館へ。

 ここは修復期間が長く完成後を待っていた形で前年に独りで訪れていました。しかし、記憶違いで1998年春のブログにアップしていませんでしたので、改めて紹介させていただきます。ドゥオーモにも近い場所なので、この後も何度か訪れています。17世紀初めに設立された図書館に併設された美術館です。

アンブロジアーナ美術館 Pinacotica Ambrosiana (2)

↓カラヴァッジョの「果物籠」31×47 1596頃

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画集や絵葉書の写真より色彩は落ち着いていて、余白の部分も想像より広く感じました。日本画にも共通する余白の静かな美。葉に精緻に描きこまれた水滴・・・あまたの静物画のなかでも屈指のもの。カラヴァッジョの作品の中ではウフィツィの「バッカス」など、果物を配した絵画は多いのですが、いつも葡萄やいちじくなどに目を奪われてしまいます。

↓レオナルド・ダ・ヴィンチの「音楽家の肖像43×31 1490頃

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この絵の存在はここへ来て初めて知りました。作者帰属に問題があるとか。細かい説明はできませんが、レオナルド特有のオーラが感じられないのが・・・?です。

ボルゴニョーネ「天使と聖人を伴う玉座の聖母子」 ロンバルディア派の画家ボルゴニョーネ(1450~1523)の作品はミラノ近辺の主な教会に多数あり。一見華麗でモニュメンタルな画風ですが、親しみやすくナチュラルな人物の表情が魅力的です。

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ほかにはボッティチェリの「天幕の聖母」、ラファエロの「アテネの学堂のカルトーン」など。

 今夜のオペラの開幕まで部屋で休憩し、着替えて友人たちとスカラ座へ。

♪~マスネ『マノン』

指揮:ミシエル・プラッソン  演出:ニコラス・ジョエル

マノン:ガッラルド・ドマス  デ・グリュー:ジュセッペ・サッバティーニ
レスコー:ジーノ・キリコ  グリュー侯爵:アラン・ヴェルネ

  ♪~フランス語のオペラは同年6月東京で観たカルメンに続いて2回目でした。舞台はフランス18世紀のロココ絵画のイメージで色っぽい。↓の絵葉書はこの公演のカタログに掲載されたイメージ・フォト。ブーシェの「ソファに横たわる裸婦」(ミュンヘン/アルトピナコテーク)

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タイトルロールのマノンを歌ったガッラルド・ドマスは声量たっぷりで良く響き、勝ち気なマノンにぴったり。これも好調のサバティーニとの最後の二重唱で、悲劇の幕が下ろされようとしたその時、なんと携帯電話がチリチリと鳴ったのです。すぐに音は消されなかったので、主役2人は一瞬音楽が途切れたように思ったのではないでしょうか?歌いながらも戸惑いつつちらりと客席を見て。。。同時にこちらの集中力も途切れてしまい、怒り心頭、残念でした。スカラ座はイタリアオペラの殿堂といわれ熱いファンも多いと聞いていましたが、オペラにあまり関心のなさそうなツーリストも多く、マナーはあまり良くないです。

参考映像:マスネ (1842-1912)<マノン>

MANON
マノン・レスコー・・・・ビヴァリー・シルズ(ソプラノ)シュバリエ・デ・グリュー……・ヘンリー・プライス(テノール)レスコー・・・・・リチャード・フレドリクス(バス)ギョー・ド・モルフォンテーヌ……・ニコ・カステル(テノール)デ・グリュー伯爵・・・・サミュエル・レイミー(バス)ブレテイーニ・・・・・・ロバート・フェイル(バス)女優プセット・・・・・エリザベス・ハインズ(ソプラノ)女優ジャヴォット・・グウエリン・リトル(ソプラノ)ニューヨーク・シテイ・オペラ・オーケストラ指揮:ジュリアス・ルーデル演出:ティト・カポビアンコ収録:1977年10月8日 ニューヨーク・ステート・シアター、リンカーン・センター1999.3 道新教室にて

     この公演がこの旅の最後の夜でした。いくつもの素晴らしいオペラを観て、音楽の美酒に酔った心地のする旅でした。アフター・オペラはエマニエレ2世ギャラリーのカフェに立ち寄り、ビールで乾杯!!

7/ 17~18

 ミラノからアムステルダムを経由して千歳着。O先生をはじめオペラ仲間の皆さんには大層 お世話になりました。今思えば、この旅が私の20世紀最後の海外の旅になり、いろいろな意味で多くの刺激を受けました。翌年から自分で計画を立てて動くようになったのもこの旅からの影響が大きかったと思います。パソコンの普及とともにデジカメ、携帯電話、ユーロの本格的な流通と、21世紀の旅も大きな展開を迎えました。

「てるてる坊主のオペラと美術の旅 1」も今回で終了になりました。オペラと美術には全然関係のない(笑)1989年のシンガポールの旅から始まってちょうど10年、お越しいただいた皆様ありがとうございました。(2013.6.13~2016.10.3までのアクセスは今日: 53 / 累計: 57,657 )

2017.8.23現在アクセス数69154

2020.5.21現在アクセス数今日: 39 / 累計: 124,912  

 


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