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1993春の旅(9)パリ~ロンドン [1993春ヨーロッパ娘たちと美術館巡り]

3/20(土)パリ12:10~ロンドン12:20(時差1時間)

 昨夜のフランス人医師の往診のおかげで、なんとか熱も下がりました。荷物をまとめてチェックアウトし、CDG空港へ。1993年当時はまだ英仏海峡のトンネルが開通する前(1994年ユーロスター開業)でした。ロンドンの宿はサウスケンジントン駅の近く、V&A美術館の向かい側のレンブラント・ホテルでした。この時の旅では一番の高級ホテル。優雅なインテリアですが部屋は狭くベットは2台並んでいますが補助ベットなしなので、とても3人は無理です。もう一室増やしてもらって、風邪ひきの私が1室使うということになりました。夜、私が咳き込むので娘たちもほっとした様子。お財布的に厳しいけれど・・・。ロンドンは次女が中学生の時ホームスティで3週間ほど滞在していたことがありますが、私と長女は初訪問でした。次女の案内でロンドンに4泊するのが楽しみでした。

 昼ごはんは飛行機内で簡単に済ませてましたから、ひと休みした後はすぐナショナル・ギャラリーへ。サウスケンジントン駅までの道に迷い、散歩中の老紳士にサブウエィステーションの場所を聞きましたが・・・「えっ?ああチューブね」とのお答え。ロンドンの地下鉄に乗るとき、びっくりしたのが切符の高額なことでした。3人ですとそれほど遠くなかったらタクシーでもOKと思いました。

 ☆ロンドン・ナショナル・ギャラリー(初)

 ヨーロッパ本土に較べ、イギリスのルネッサンスは100年遅かったこともあり、その焦り?も多少はあったでしょうか、大英帝国の繁栄をバックにイタリアルネッサンスを初めとした膨大な絵画の蒐集、またその素晴らしい審美眼には脱帽です。

昨年のパリそして今回の ベルリン~アムステルダムとここまで鑑賞してきたたファン・エイクやフェルメールなどの素晴らしい北方絵画。それがここでも、最上級の傑作に出会えました。次いでクリヴェッリ、トゥーラ、ピエロ・デッラ・フランチェスカ、ウッチェロなど・・・書けばキリのない名作ぞろいです。ホテルに戻る体力を何とか残しながら、前半終了。後半は翌日と思いながらも足が止まらず体力限界まで巡りました。

 今になってはどういう順番で鑑賞したのかはっきりしないのですが、前半は初期ルネッサンスエリアのセインズベリー館から入りました。初回の訪問で強い印象に残ったのはやはりというべきでしょうか、北方ルネッサンスの

↓ヤン・ファン・エイクの「アルノルフィー二夫妻」1434/ベルリンの肖像画にも描かれた新婚のイタリア商人ジョバンニ・アルノルフィー二夫妻の立像肖像画。2人の結婚の証人として立ち会った画家自身が凸面鏡のなかに描きこまれてるほか、室内には結婚のさまざまな象徴表現など、技巧をこらしたエイクの代表作。イタリア盛期ルネッサンスの100年も前に描かれたとは信じがたく、その当時の15世紀の人々の驚きはいかばかりだったでしょう。

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 イタリアルネッサンスではダ・ヴィンチの「岩窟の聖母」、ボッティチェリの「ヴィーナスとマルス」など。

↓北方絵画ではクラナハの「ヴィーナスに訴えるキューピッド」1530頃/キュービッドがミツバチの巣を手にしてヴィーナスに救いを求めています。この絵には人生の楽しみは痛みがつきものという教訓が込められているそうです。

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↓フェルメールの「ヴァージナルの前に立つ婦人」と「ヴァージナルの前に座る婦人」(2点とも1673~75)があります。左の「ヴァージナルの前に立つ婦人」は後期の代表作として知られていますが、対画として描かれたらしい右の「ヴァージナルの前に座る婦人」は画家特有の光の描写がいまいち固い・・・。

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↓ ここではあまりメジャーではない画家の作品にも眼を惹かれました。Geertgen tot Sint Jansヘールトヘン・トット・シント・ヤンス(15世紀ネーデルランドの画家)の「キリストの降誕」です。(絵葉書)/ 卵形の上品顔のマリア、天使達の可愛らしさ。夜景の表現も素晴らしい小品(34×25)です。

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 ヴァン・ダイク、ルーベンス、レンブラント、ベラスケスなど見逃せない傑作が次から次に現れます。疲れ果ててホテルに戻りました。夕食はホテル内のレストランでブッフェ形式のローストビーフなどいただきました。食欲も戻り私の風邪は回復に向かったのですが、長女にうつってしまいました。翌日から寝込んでしまったのです。


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