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1996初秋の旅(3)バーゼル~コールマール~ストラスブール [1996初秋ヨーロッパ鉄道の旅]

9/2(月) BaselSBB10:48→Colmar11:34/16:19→Strasbourg16:50

ストラスブール/ゾフィテル・ストラスブールホテル2泊

 昨夜は静かで熟睡できました。朝もゆっくり過ごし、メロンも並んだ豪華版の朝食を済ませ出発。バーゼルの駅に隣接するフランス国鉄SNCF駅へ。入口からはどんどん進んで、パスポート・コントロールや手荷物検査場も係員の姿は見えず通過。アルザス特急の出発するホームへ。ユーロ圏の構想もだいぶ煮詰まっていた頃でした。今思えばあのころは東西ドイツの統一や旧ソ連の情勢などまだまだ課題があったとはいえ、世界情勢は安定していた時期だったのかも知れません。

↓バーゼルSNCF。ここからフランスです。

バーゼル2.jpeg

↓アルザス特急

バーゼル4.jpeg

↓ 1-2配列の1等車はガラガラ。

バーゼル3.jpeg

 さて、楽しい汽車の旅も40分ほどで終わり、アルザス地方のコルマールに着きました。ボストンバックは駅のコインロッカーに預け、身軽になってコールマールの旧市街へ。徒歩で10くらい。早速訪れたウンターリンデン美術館は昼休みでしたので、先に街の散策へ。初アルザスの古い街がこんなに美しいとは!あまり情報もなかった頃ですから、感嘆しつつ歩きました。

↓プチット・ベニス

コールマール2.jpeg

↓こちらは絵葉書です。

Colmar.jpeg

↓街角で

コールマール3.jpeg

 さてランチは何処にしましょう・・・あいにく月曜日なので休みの店が多く、あの有名なメゾン・ド・テットもクローズでした。開いていた近くのビアレストランで。初アルザス料理を賞味。

メニュー4.jpeg

コールマール1.jpeg

 昼食後は念願のウンターリンデン美術館へ。

☆ウンターリンデン美術館Musee d'Unterlinden(初)

 コールマール近郊のイーゼンハイム村にある聖アントニウス会修道院のために16世紀初頭に描かれた祭壇画は「イーゼンハイム祭壇画」と呼ばれ、現在はこちらで観ることができます。描いたのはマティアス・グリューネヴァルト。聖アントニウスは熱病を癒す聖人として信仰されていたため、この祭壇画には熱病平癒の祈りが込められているとみられています。この祭壇画のほかにもションガウアーやクラナハ、ホルバイン、中世の木彫彫刻など。

ドイツ・ルネッサンスの画家グリューネヴァルトの『イーゼンハイムの祭壇画』を知ったのはいつの頃でしたでしょう。キリスト教絵画のなかでもその残酷なほどのリアリズム、異彩をはなつこの祭壇画にいつのまにか興味を持っていました。手持ちの画集に大きく取り上げられていたこと、同じころ粟津則雄氏の『聖性の絵画』を読んだことも、ぜひとも実物が観たいと願うきっかけになりました。

フランスの田舎に行くにはフランス語を少しでも習わなければと、語学に弱い私が重い腰をあげるきっかけになったのも、実を言えばこの画が観たい一心でした。展示室へ向かう時は胸がドキドキしました。一番有名な中央が「キリストの磔刑」の三連(外面)が最初に観れるように展示され、教会を模して木のベンチがその前に並んでいました。カメラ禁止。

バーゼルでホルバインの「死せるキリスト」を前日に観たばかり、続いての死後硬直タイプの醜悪ともいえるキリストの姿です。やはり衝撃はありました。何故?こんなふうに描いたのかという問いは誰の胸にも起きるでしょう。キリストの犠牲の苦しみを強調すると共に、この祭壇画が置かれていた教会の施療院には癩病や梅毒の患者がいたことも大きかったと思うのです。単純な慰めとも違うもっと大きなものを彼等は受け止めたのだと思うのです。あの苦悶のうちに息絶えたキリストは普通に絵画を鑑賞する気持ちでは私ごときでも正視できなくなるほどのものです。でも普通でない立場にいる患者さんたちが観るあのキリストの姿は自分たちと同じ無惨な肉体なのです。
 画家がその心身の苦痛をどんなふうに自分に添わせ、普遍的な芸術として昇華させたのか・・・。宮廷画家としての地位を投げ打って、農民戦争に加わったという晩年が彼の思想の総てを物語っています。

 裏にまわってみると、内面にあたる「受胎告知」「天使の奏楽を伴うキリストの降誕」「キリストの復活」の三連が観られました。こちらはがらっと明るい色彩の画風に転じます。救われた気持ちになりました。ここで降誕のイエスの産着?がボロボロの布であることに気がつきました。磔刑のキリストの腰布と同じです。そして、これも圧巻なのは最内面にあたる聖アントニウスのふたつの場面です。悪夢の幻想はボッスも顔負け、次女には「もう、夢でうなされそ~」と不評でした。

↓画像はWikipediaからお借りしました。第一面

1024px-Grunewald_Isenheim1.jpg

 コールマール駅に戻り、ストラスブールへの列車に乗車。30分ほどで到着。ホテルは川を越えた旧市街にあり、4☆。でも、クリーニングを頼んだ次女のTシャツを紛失され、そのミスを誤りもしませんし、なんの弁償もなかったのです(怒)甘く見られました。今ならホテルの評価に書きこむところですが・・・。

夕食のため出かけて街の散策。ここは大きな街でプランタンデパートやエルメス、シャネルなどのお店も。歩いている年配のマダムたちもお洒落です。ドイツにホームスティしていた次女が、「やっぱり、フランスは違うわ~ドイツはダサすぎる!」って。私たちも夕食はかなり頑張ってワンピースなどでお出かけしましたです(笑)

夕食は上に貼ったメモをご覧ください。評価はB(普通)でしたが、定食1人2500円くらいで済みました。


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