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1996初秋の旅(13)バルセロナ~マドリード [1996初秋ヨーロッパ鉄道の旅]

9/12(木)Barcelona Sants8:30→Madrid Chamartin14:55(talgo Triana号)

マドリード/パラスホテル4泊

 雨の朝、観るべきものが見られなかった不完全燃焼のバルセロナを出発して、旅の最終目的地マドリードに向かいました。現在は新しいラインができて、3時間足らずでバルセロナとマドリードを結んでいますが、1996年当時はなんと!倍以上の6時間半もかかりました。

↓座席指定は出発前に予約済み(10USドル)。乗車券はユーロ・パスに含まれています。

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 サンツ駅までタクシーに乗ったのですが、運転手さんはマドリードまでなら飛行機で1時間だよと不思議そうでした。サンツ駅は地下のホームまでエレベーターがありました。いつのまにか雨も上がり車窓からは赤い土の大地に灌木というアフリカ的風景が広がります。大きな町の駅に着くたびに、乗り降りが激しくなって、バルセロナからマドリードまで通しで乗る人は少数派だったようです。1等車でしたが、ほぼ満席状態だったので、予約してきたのは正解でした。ランチは車内のシート・サービスで済ませましたが、不味くて口が曲りそ~。長い汽車旅には東京から北海道まで帰郷の折に20数時間と慣れていますから、列車は大好きですし私はさほど苦痛ではありませんでしたが、最後はやはり疲れました。次女はほとんど眠っていたとはいえ辛かったようです。マドリードに着いて、よたよたと降り立った私たち。

 マドリードのホテルはこの旅では唯一の5☆。プラド美術館近くの立地で選んだのですが、さすがに素晴らしい建物でドームの下はゆったりしたロビーやレストランになっていました。長い汽車旅の疲れも飛びました。そのうえ、むむ・・・ロエペのショップもあるぅ。

↓ホテル(2枚とも絵葉書です)

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 ひと休みしたあとの夕方近く、徒歩15分ほどのスペインの誇る現代アートの殿堂へ。

☆ソフィア王妃芸術センター Museo National Centro de Arte Reina Sofia(初

 もとは18世紀の総合病院だった建物を1980年に内部をモダンに改修し、1986年に開館。建物正面のガラス張りのエレベーターに乗って、まずはピカソの大作「ゲルニカ」の展示室へ。

旅の直前にたまたまテレビで放映されていたこの大作は防弾ガラスに守られていたのですが、訪れた時は特別展?だったのかしら、部屋の中央にデンと据え置かれ、両脇を屈強な銃を持った兵士にガードされての展示になっていました。

ピカソの絵画に初めて感動したのは、まだ美術にそれほど関心の無い時でした。地元のデパートで開催されたピカソ展で観た「闘牛場にて」。闘牛そのものではなくそれを観ているさまざまな観客たちの絵で、画面からあふれんばかりの迫力に驚いたものです。「アートは爆発だ」そのころ流行っていた岡本太郎の言葉、そのもの・・・私の心のなかで何かが、爆発したのかも知れないです。以後そんなこんな・・・色々あって、ピカソの「ゲルニカ」は本物を観たいと長年憧れていた作品でした。あまりにも思い入れが強すぎて、気持ちが上滑りしてしまった感はありましたが、この超大作にこめられたメッセージ、芸術家としてどうしても伝えたいとの意気込みが、周囲に並べられた推敲を重ねた習作デッサンの数々からも充分伝わってきました。この作品はファシズムの圧政に苦しんだスペインの人々の記憶だけではなく、今も世界中の戦いや苦難の底にあえぐ人々が存在していることを告発しているのです。この絵を前にするとモノクロで表されたゲルニカの悲劇の向こうにあるものを透視せざるを得ない状態になるのです。言葉で表せない多くのものを確かに視て、悲痛な声も聴こえたように思います。生涯忘れないピカソ体験になりました。

そんな状態でしたから、ほかの作品はどうしても記憶が薄くなってしまいますが、ダリの「窓辺にたたずむ少女」は印象に残っています。ダリの作品ではプレ・シュルレアリスムに位置する作品。ほかの多くのダリの作品に選ばれるシュールな主題に関係なく、背後に広がる風景がなんともいえなく好ましいのです。この絵にもスペインの港町カダケスが窓外に描かれています。(絵葉書)

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 他にはミロ、タンギー、マグリットなど。閉館近くまで鑑賞。

↓ソフィア王妃美術センター前と中庭にて

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夕食は和食のサントリーで。ミラノの半額でコース料理も食べられ、空席も多く予約なしでもOKでした。帰りのタクシーはパラスホテルと言ったのにプラザホテルに連れて行かれ、謝りもしないので、わざとかも・・・怒。スペイン語ができないので、トラブルがあった時はやはり困ります。明日からまた気を引き締めましょう。


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