1991初夏の旅(5)シエナ~サンジミニアーノ~フィレンツエ [1991春イタリア・ルネッサンスの旅]
5/17(金)
シエナより塔の町サンジミニアーノへ。
↓ バスから見えてきた風景(絵葉書)
サンジョバンニ門の手前でバスを降り井戸のあるチステルナ広場からドゥオーモへ。内部はなにがあったのか忘れましたが、外回廊にあった ↓野ざらしのギルランダイヨ「受胎告知」が気になりました。
↓ 市立博物館から見たチステルナ広場です
↓ お天気が良くなって上機嫌(笑)市立博物館の屋上からのトスカーナの眺め。
サンジミニアーノ市立博物館の見学。展示品で一番印象的だったのはフィリッピーノ・リッピの2枚に分かれた「受胎告知」。疲れた表情のマリア様・・・。
そして一路バスはひた走りフィレンツエへ。峠から大聖堂が見えたとき、歓声があがりました。私だけでなく、皆の憧れのフィレンツエでした。まずはミケランジェロ広場で写真ストップ。お天気も良く、何度も写真で観た花の都フィレンツエの街並みが目の前に広がって・・・。おおげさでなく、ちょっぴりうるうるしちゃいました。
↓ 持参のカメラの調子が悪く、使い捨てカメラで撮りました
この当時は昼食にアルコールは考えられない堅実な?主婦でしたが、フィレンツエに着いたころから、ワインを飲むようになリました。旅は非日常の世界だからと言い訳(笑)
ランチの後はサンタクローチェ教会へ。ここではバルディ礼拝堂のジョットの聖フランチェスコ伝のフレスコ画、特に聖フランチェスコの臨終に聖痕を確かめに来たヴァチカンからの使者と、聖人の死を悼み悲しむ弟子達との対比は、ルネッサンス・リアリズムの画家ジョットの人間重視の姿勢、イタリア・ルネッサンスの先駆者として登場したジョットの傑作です。
まだまだ美術愛好者として未熟(今もですが)な私が、大袈裟で無く震えるほど感動したという懐かしい作品です。
↓ サンタ・クローチェ教会の前で
次は今日のハイライト、ウフィッツイ美術館へ。マルティーニの「受胎告知」とドゥッチョの「玉座の聖母子と6天使」のシエナ派絵画からピエロ・デッラ・フランチェスカの「ウルビーノ公夫妻の対面肖像画」そしてボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」と「春」にご対面。でも画集とは異なり、ガラス張りになっていて(なんと!1カ月前から 涙)、感動はいまいちでした。レオナルドの「受胎告知」のほうが好み。天使の羽がにょきっと生えたリアルな表現が傑出しています。ラファエッロ、ミケランジェロ、カラヴァッジョやレンブラントもあり、これもあれもと鑑賞するも飽和状態・・・。これは一度の訪問では到底無理と悟りました。
その上、 ドゥオーモや洗礼堂なども一通り見学して、ようやく今夜の宿へ。フィレンツエのホテルはヴェッキオ橋の近くのホテル・アウグストゥスでした。この7年後に再訪したときは、かなり高級なデザイナーズホテルになっていました。昔の素朴な佇まいが懐かしい・・・。
↓ お部屋も小さな木のベット、質素でしたが居こごち良かったです
夕食はヴェッキオ橋を渡ったところのレストラン(BIBO)で。タリアテッリのツナあえ、お魚のグリルホウレンソウ添えなど美味しくいただきました。
イタリアの美術館
(4)サンジミニアーノ市立博物館
(5)ウフィッツイ美術館Galleria degli Uffizi
おおげさかも知れませんが、「ナポリを見て死ね」という言葉より「ウフィツイを見て死ね」といった方が私にはぴったりです。ですから、初めてここを訪れた時の感激は今思い出しても相当なものでした。ツアーで一巡しただけではとても満足とはいえません。ただ、参加したツアーはルネッサンスの美術を主体にしたものでしたので、イタリアが初めての美術鑑賞初心者にとっては最適であったことは確かです。その頃は最近ほど混んでいませんでしたから、翌日の自由時間にはまたここへ来てしまいました。午後遅く入館すると待たずに入れました。綺羅星のごとくに並ぶ名画の数々、次々と目の前に現れるのですから驚きでした。私にとっては、ほとんどが初めてお目にかかる本物。まじかに眺めて、興奮の連続(笑)すっかり、美術館巡りにはまってしまいました。
↓ ボッティチェッリ「春プリマべーラ」 地元の美術の講座で解説など聞いたのは後のこと。足元に咲く野の花が日本画のよう。高台寺の黒塗りの蒔絵を思い出したりしてました。
↓シモーネ・マルティーニ「受胎告知」
↓ レオナルド・ダ・ヴィンチ「受胎告知」