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1997夏の旅(5)ザルツブルク [1997夏ザルツブルクとヴェローナ夏の音楽祭の旅]

8/26

 この日はザルツブルク市内を離れて、ザルツカンマーグート地方を訪れました。青空と緑と湖の美しい景色が目にまぶしい。

↓バスの車窓から

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↓ヴォルフガング湖畔のザンクト・ギルゲンはモーツアルトのお母さんの生地です。

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↓ザンクト・ギルゲンから遊覧船でザンクト・ヴォルフガングへ。オペレッタ「白馬亭にて」の舞台になったホテル

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↓少し小高い丘のうえにザンクト・ヴォルフガングの教区聖堂が建っています。ここにはパッヒャーMichael Pacher(15世紀にティロル地方で活躍した画家、彫刻家)の代表作とされる祭壇画があるので有名です。

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教会内のショップで祭壇画についてのリーフレットを売っているのに気が付き買い求めましたが、ドイツ語なので写真以外は理解不能でした。帰国後、調べたところザンクト・ヴォルフガング祭壇画は1471年に注文を受けてから、聖母の生涯とキリストの生涯を息子や工房を総動員して、10年の歳月をかけて完成させたものと分かりました。大型の木彫だけでも19体、絵画は31面に及ぶ壮大な祭壇画です。

↓中央の木彫祭壇の奏楽の天使たちがあまりにも可愛くて。(絵葉書)

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 午後からは昨日と同じフリータイムになりました。今夜のオペラ「魔笛」は希望者のみで、現地手配となっていました。幸いチケットがとれたので現金で購入し、部屋に戻り仮眠。今夜のオペラ会場はフェルゼンライトシューレ、あの「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台にもなった岩山を背景にした半野外の劇場です。

♪~「魔笛」モーツアルト@フェルゼンライトシューレ

指揮:クリストファ・フォン・ドホナーニ  演出:アヒム・フライアー

ザラストロ:ルネ・パーペ  タミーノ:ミハエル・シャーデ  夜の女王:ナタリー・デセイ  パミーナ:シルヴァー・マクナイアー  パパゲーノ:マチアス・ゲルネ  弁者:ヘルマン・プライ 
演奏:ウィーン・フィル 

♪~サーカスの小屋でのマンガチックな演出でブーが飛んだ『魔笛』でしたが、好きなオペラの5本指に入るので、ホントに楽しめました。後から知ったことですが、この時の指揮者ドホナー二とウィーン・フィルは確執があったそうで、演奏もあまり感心しないできだったそうです。しかし、私には全然分かりませんでした(笑)。デセイの夜の女王はグルベさまとは違った魅力の素晴らしいコロラトゥーラで聞き惚れました。ただ演出のせいで魔法使いのお婆さんのような姿で登場。デセイのチャーミングな容姿にはまったく合いません(涙)。彼女はもうこの役は歌わないとのこと・・・しばらくあの歌声が耳に残っていました。パーぺやシャーデ、他の豪華歌手陣も完璧!評判の悪かったサーカス小屋や見世物の相撲取りも、モーツアルトの音楽の前ではどーでも良い(笑)半野外で岩山を背景に、観客席の固い座席(その後改良された)でわくわくして観た魔笛は心に残る舞台でした。
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↓パパゲーノは自転車乗り(プロマイド)
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↓ ザルツブルク音楽祭のチケット。席は両方ともセカンドまたはサードカテゴリー。現地手配チケット(右)はかなり割高。
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3泊したザルツブルク最後の夜はホテル近くのテラスカフェで、夜遅い終演にあわせて迎えに来てくれた添乗員さんと共にアフターオペラのプチ飲み会。ツアーのお仲間とも打ち解けて楽しい夜でした。
参考CD:ハイティンク/バイエルン放送管弦楽団(夜の女王はグルベローヴァ)
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参考映像:
モーツアルト<魔笛>1997.7
DIE ZAUBERFLOTE
ザラストロ ・・・・・・・・・・・・・・・ハーリ ・ピータース(バス)
タミーノ ・・・・・・・・・・・・・ ミヒャエル・シャーデ(テノール)
弁者 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ デートレフ・ロート(バス)
夜の女王・・・・・・・・・・・・・・・シンディア・ジーデン(ソプラノ)
パミーナ・・・・・・・・・・・ クリスティアーネ・エルツェ(ソプラノ)
パパゲーノ・・・・・・・・・・・・・・ ジェラルド・フィンレイ(バス)
パパゲーナ・・・・・・・・・・・・コンスタンツェ・バッケス(ソプラノ)
モノスタトス・・・・・・・・・・・・・・ ウーヴェ・ペパー(テノール)
第1の侍女・・・・・・・・・・・・・・・ スーザン・ロバーツ(ソプラノ)
第2の侍女・・・・・・・・・・・・・・ カローラ・グーバー(ソプラノ)
第3の侍女・・・・・・・・・・・ マリヤ・ジョナス(メッゾ・ソプラノ)
3人の童子、僧侶、鎧を着た2人の男
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
モンテヴェルデイ合唱団
指揮:ジョン・エリオット・ガーデイナー
演出:マリジュク・フォン・モレング
収録:1995年6月 アムステルダム・コンセルトヘボウ

 


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1997夏の旅(4)ザルツブルク [1997夏ザルツブルクとヴェローナ夏の音楽祭の旅]

8/25

 午前中は徒歩でザルツブルクの市内観光をしました。

↓朝のミラベル庭園

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 ザルツァッハ川を渡り旧市街に向かいました。

↓ゲトライデガッセ通り

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この通りにあるモーツアルトの生家を見学してから、裏手にある青空市場で短時間のフリータイム。美味しそうなフルーツが並んでいましたが、ツアーですと食べる時間もありませんから見学だけ。

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↓祝祭大劇場

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↓劇場の裏手(楽屋口?)

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聖ペーター教会を抜け、街のシンボルザルツブルク大聖堂へ。↓何台もパイプオルガンが並んだ壮麗な内部。

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↓レジデンツ広場の観光馬車。ここで11:00の鐘を聴いた後、バスで郊外のヘルブルン宮殿へ。

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↓仕掛け噴水のある楽しいヘルブルン宮殿

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↓ ここで私も逃げる暇なく(椅子にも噴水の穴)水に濡れました。夏なのですぐ乾きましたが・・・。

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↓ 他にも大きなオルゴールなど

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↓ ハスキーを連れて観光している方たち。我が家のちょびを思い出しました。

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 市内に戻りランチ。午後はフリータイムでしたが、夜のオペラ観劇に備えてホテルに戻りお昼寝。心地よく眠れたおかげですっきり目覚めました。ホテルからはバスで祝祭大劇場へ。

↓まずは劇場ロビーで記念撮影

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♪~『ボリス・ゴドゥノフ』ムソルグスキー@祝祭大劇場
 
指揮:ヴァレリー・ゲルギエフ  演出:ヘルベルト・ヴェルニケ

ボリス・ゴドゥノフ:ウラジミール・ヴァーネフ   フョドール:リリアーナ・ニキテゥー   クセニア:イリド・マルテネス   シャウスキー:フィッリプ・ランゲリッジ   ピーメン:アレクサンドリア・モロゾフ  
デミトリー:セルゲイ・ラリン  マリーナ:オルガ・ボロディナ  聖愚者:アレクサンダー・フェ―デン
演奏:ウィーンフィル

ザルツブルクの夏、昼間は暑かったのですが、夜は札幌並みに涼しくなりました。初めての祝祭大劇場なので、緊張でドキドキでした。華やかに胸をあけたロングドレスのマダムたちに圧倒されました。そして名前も良く知らないままで聴いたゲルギエフの指揮、間口の広い祝祭大劇場でのロシアの民衆が大勢登場する迫力ある舞台。そして忘れられないボロディナの歌声、ヴェルニケの秀逸な演出にも感銘を受けました。なにもかもが凄い!!入門したての私にはもったいないほどの舞台でした。この時の公演で新しい演出の洗礼を受けたわけですが、グループの方たちが一様に背広姿の皇帝に違和感を持ったとは逆に、過去から現在のロシアの歴史を感じさせる手法に感銘を受けました。地の底からわき上がるようなロシアの民衆の合唱も、聖愚痴の哀しいまでに澄んだ歌も・・・特に最後の場面、聖愚者が幕を引きながらロシアの未来を嘆くシーンは忘れられません。当時はソヴィエト崩壊後まだ安定しない政情のさなかにあったロシア。その将来を想わずにいられませんでした。初心者なりにオペラって深いな~もっと観たい!との強い願望が芽生えた記念すべき夜になりました。当初はボリスはサミエル・レイミーが歌うはずでしたが、キャスト変更になりウラジミール・ヴァーネフ(エリツィンにそっくり!)が歌いました。補足:ムソルグスキーによる1872年の改訂版だったと思うのですが、長いオペラでした。この後の東京やウィーンで観たボリスの公演はすべて原典版の短い(2時間)ものでした。死ぬ前に(笑)もう一度マリーナの野心あふれる誘惑のアリア、ライブで聴きたいものです。
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この時気が付いたのですが、午後のフリータイムでアクティブに過ごされた方はほとんど居眠りされていました。私は特に体力があまりない方なので、夜の観劇前の仮眠は必要と肝に銘じたのでした。
参考映像(TV):アバド/タルコフスキー盤 
↓CD:カラヤン/ウィーンフィル(ボリスはニコライ・ギャウロフ)
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