1999夏(6-2)ラヴェンナ [1999夏北伊と南仏オペラ仲間との旅]
~続きです。
☆アリウス派洗礼堂 Battistero degli Ariani
キリストの神性を否定したとされるアリウス派は381年のコンスタンティノポリス 公会議で異端の糾弾を受け、次第に正統派に合流していきますが、ここラヴェンナには6世紀の後半に建てられた八角形の小さな洗礼堂が残っています。
↓天井のモザイク画は中央にキリストの洗礼、周りに12使徒。カメラ禁止のためNETから拝借
ラヴェンナ市内には重要な洗礼堂がもう一か所あります(ドゥオーモ 付属の正教徒洗礼堂)が、夜のオペラに備えて休息の必要あり、ホテルに戻りました。友人たちもボローニャから無事到着。オペラの前に早めの夕食をとるため着替えて、全員集合(9名)して出発~!
↓ポポロ広場で
夕食はアリギエリ劇場近くで賑やかに。食事中、劇場からソプラノの声が聞こえてきて、ラヴェンナ音楽祭のムードは高まって きました。
1999年夏のラヴェンナ音楽祭はとても華やかでした。リッカルド・ムーティ夫妻が中心に(夫人が総裁)開催され、この夜の『ドン・ジョヴァンニ』 もムーティの指揮と名歌手たちをそろえた素晴らしい舞台でした。早くから情報をキャッチされ、チケットを手配してくださったO先生に感謝です。
♪『ドン・ジョヴァンニ』モーツアルト
指揮:リッカルド・ムーティ 演出:ロベルト・デ・シモーネ
ドン・ジョヴァンニ:カルロス・アルバレツ レポレッロ:イルデブランド・ダルカンジェッロ ドンナ・アンナ:マリエッラ・デヴィーア ドンナ・エルヴィラ:アンナ・カテリーナ・アントナッチ ドン・オッターヴィオ:ミハエル・シャーデ ツェルリーナ:アンジェリカ・キルヒシュラガー
オーソドックスな演出で、舞台も衣装もティエポロの絵画風という絢爛さ。去年のザルツでのタミーノに続いて聴いたシャーデはホントに素晴らしい。若手のキルヒシュラーガーもチャーミングな容姿もあってこの役にぴったり。他の歌手も言うこと無し。この後は決して観ることはかなわないほどの公演と当時は思わなかったのですが・・・。ムーティも私たちも50代若かった?です。この劇場の付近はバールがいくつか並んで休憩のときもリラックス。この街自体がビザンチンの美術館みたいなところ、素晴らしい環境でのオペラ体験は忘れられない思い出になりました。
参考映像: モーツアルト(1756~1791) 「ドン・ジョヴァンニ」
Don Giovanniドン・ジョヴァンニ・・・・・・・・・・・ サミュエル・レイミー(バリトン)騎士長・・・・・・・・・・・・・・・・・・ パータ・ブルシュラーゼ(バス)その娘ドンナ・アンナ・・・・・・・・ アンア・トモワ・シントー(ソプラノ)彼女の許嫁ドン・オッターヴィオ・・・・ エスター・ヴィンベルイ(テノール)ドンナ・エルヴィーラ・・・・・・・・・・・ ユリア・ヴァラデイ(ソプラノ)レポレルロ・・・・・・・・・・・・・・ フェルッチョ・フルラネット(バス)ツエルリーナ・・・・・・・・・・・・・・ キャスリーン・バトル(ソプラノ)マゼット ・・・・・・・・・・・・・・・・ アレクサンダー・マルタ(バス)ウイーン国立歌劇場管弦楽団・合唱団指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン演出:ミヒャエル・ハンペ収録:1987年ザルツヴルグ音楽祭 1996.10 道新教室にてオペラのはねた後はまたまたお酒タイム、明日の朝早いのに・・・。
1999夏(6-1)ラヴェンナ [1999夏北伊と南仏オペラ仲間との旅]
7/9
この日も友人たちと合流前にせっせと古都ラヴェンナ巡りをしました。まずは再訪のサン・ヴィターレ聖堂とガッラ・プラチディア霊廟へ。
ラヴェンナ国立博物館と共通チケットのため、まずMuseoの見学をしましたが、カメラ禁止だったこともあり、ほとんど記憶に残っていません。そして同敷地内のサン・ヴィターレ聖堂へ。
☆サン・ヴィターレ聖堂 Basilica di San Vitale
6世紀に建てられた八角形プランのバジリカはラヴェンナの華といえるほどのモザイク画が残っています。堂内は二層の列柱アーチで囲まれ、↓内陣 天井の豪華なモザイク装飾にビザンツの宮廷文化がうかがえます。
後陣の左右にはラヴェンナのモザイク画の中でも最も有名な「ユスティニアヌス 帝と廷臣たち」と
↓「皇妃テオドーラと従者たち」
天のキリストに地の皇帝という構図が浮かび上がり、改めてラヴェンナのビザンティン美術は宮廷の権威を示したものだと感じ入りました。
続いてサン・ヴィターレの裏手にあるガッラ・プラチディア 廟へ。
☆ ガッラ・プラチディア廟 Mausoleo di Galla Placidia
ラテン十字形の小さな聖堂は波乱の人生を送った西ゴートの王妃 ガッラ・プラチディア(386-450)の霊廟として建てられましたが、彼女はローマで没したため遺骸はここにはありません(諸説あり)。堂内は狭い上に人があふれ息苦しいほどでしたが、密度の濃いモザイク画の宗教性に惹かれました。堂内はアラバスターの窓からの光に限られ暗いのですが、繊細緻密にデザインされたモザイクの輝き。一種隔絶された世界にいるような不思議な体験でした。
↓ 天井の深いブルーに無数の星がちりばめられて、半円形のルネッタには「善き羊飼いのキリスト」(絵葉書)
↓植物の装飾モザイク(絵葉書)
外にでると真夏の太陽がぎらぎら照りつけ暑いこと!近くのカフェに逃れ、軽くランチをとり アリアーノ(アウリス派)洗礼堂(初訪問)へ。
続きます~。