1996初秋の旅(16&17.18)マドリード&帰国 [1996初秋ヨーロッパ鉄道の旅]
9/15(日)
この日が実質的には旅の終わりの日になりました。初日のチューリッヒを除いては天気にも恵まれた良い旅行になり、旅の神様に感謝です。この日も快晴でした。マドリードにはまだ見逃せない美術館があります。ホテルのすぐ近くのテッセン・ボルミネッサ美術館へ。
↓テッセン・ボルミネッサ美術館入口
↓テッセン・ボルミネッサ美術館 ゴヤの生誕250周年記念の幟が立っていました。
☆テッセン=ボルミネッサ美術館 Museo Thyssen-Bornemisza(初)
テッセン=ボルミネッサ男爵夫妻の収集(19世紀半ばから3代にわたる)をもとに、スイスを本拠地としている当主の男爵の代に1992年にオープン。古い画集などにはスイスにある同名のコレクションの収蔵になっている絵画もあり、実際ここを訪れて、「これがここに!」と初めて知ることも多かったです。現在コレクションは政府所有となっています。建物は18~19世紀に建てられたマドリード新古典主義のビリャエルモッサ宮殿を改装。明るい赤茶色の壁の外観に内部は採光の良いモダンな展示室。初期ルネッサンス13世紀から20世紀までの西洋美術を楽しめるようになっています。カメラ禁止なので、絵葉書です。
↓カルパッチョ「騎士の肖像」1510 218×152
↓カラヴァッジョ「アレクサンドリアの聖カタリナ」1597 173×133
↓ギルランダイオ「ジョヴァンナ・トルナブオーニ」1488 77×49
↓ウェイデン「聖母子/坐像」1435頃 14×10.5
ほかにもエイク「受胎告知」、ハルス「風景のなかの家族の肖像」、クリストゥス「ドライツリーの聖母」、メムリンク「祈る青年」、ホルバイン「ヘンリー8世」、クラナハ(父)「葡萄を食べる聖母子」など見逃せない名画が次々に現れますが、いったん中断して館外へ。というのはサン・フェルナンド王立アカデミー美術館が日曜で閉館が早いとのことに気がついたからです。幸い徒歩10分の距離にあり、無事に鑑賞できました。
↓アルカラ大通りに面した古い館に小さな看板
☆サン・フェルナンド王立美術アカデミー Museo de la Real Academia de Bellas Artes San Fernabdo(初)
18世紀にフェルナンド6世によって開設されたアカデミーの付属美術館。16~20世紀に及ぶコレクションがあり、アカデミーの会員だったゴヤはここでもかなり名作が揃っています。
↓ゴヤ「鰯の埋葬」1812-19頃 82.5×52 カーニバル最後の日の祭りの光景。キリストの復活祭へと続く四旬節の初日にあたる日に鰯を埋葬する習わしがスペインであり、マドリードではこの日に仮面劇が行われたそうです。ゴヤの描く民衆の狂気じみたパワー。
ゴヤは「カンバスの前の自画像」や「宰相ゴドイ」など。ここで印象的だったのはスルバランの5枚の「白い修道士シリーズ」でした。
↓スルバラン「修道士ヒエロニモ・ペレス」1633頃 204×122
西洋絵画辞典によりますと、ヘレニモ・ペレスは16世紀の神学者で詩人、バレンシア大学の教授だったとのこと。白い修道士シリーズの中で一番若くハンサムな方。高潔、敬虔な雰囲気が漂う名作です。
アルチンボルドの「四季/春」は修復?展示されていなかったのは残念でした。
再びテッセン・ボルミネッサに戻り、手の甲に押したスタンプをチェックしてもらって入館。館内のカフェでランチを済ませて、残りの分から鑑賞しました。17世紀はライスダール「ナールデンの眺め」、ヴァトー「ご機嫌ピエロ」から19世紀のアメリカのハドソンリバー派、ゴヤやフリードリヒそしてフランスの印象派へと続き、ノルデ、ベックマン・・・予想をはるかに超えた素晴らしいコレクションでした。ただ最後の部屋はクローズされていて、バルトゥスやダリ、ホッパーは観れませんでした。昨年ミュンヘンで初めて知った青騎士のヤウレンスキーもあり、絵葉書も購入しました。
↓ヤウレンスキー「El velo fojo?」1912 64.5×54
夕食はホテルのレストランで。5☆のホテルなので、お洒落して出かけましたが、ブッフェスタイルなので、気軽でした。
9/16(月)マドリード15:10→アムステルダム17:40/19:30
午前中はホテル内のロエペで最後のショッピングとスーツケースの荷造りで費やし、早めに空港へ。ランチや免税手続きの後搭乗。アムス経由で帰国しました。
9/17(火)成田15:00/18:25→千歳20:00
成田で次女と別れ、札幌の自宅には10時ごろ到着。こんなに贅沢なブランド品などのショッピングをしたのは初めてで最後でした。(たまには1個くらい 汗)会社勤めの長女はおみやげににっこり。お父さんとお留守番ありがとう~!